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論文

ナトリウム冷却高速炉における炭化ホウ素とステンレス鋼の共晶融解過程に関する速度論的検討

菊地 晋; 坂本 寛*; 高井 俊秀; 山野 秀将

日本機械学会2020年度年次大会講演論文集(インターネット), 4 Pages, 2020/09

原子炉の炉心損傷に至るような過酷事故(シビアアクシデント)を想定した場合、制御材である炭化ホウ素(B$$_{4}$$C)と被覆管や関連する構造材であるステンレス鋼(SS)との共晶融解が発生する恐れがある。このため、仮にナトリウム冷却高速炉において炉心損傷事故(Core Disruptive Accident: CDA)に至る場合を想定すると、B$$_{4}$$C-SS共晶融解挙動は安全評価上、重要な現象の一つに位置付けられる。本報告では、共晶融解が進展した界面における融解速度を把握することを目的にSSにB$$_{4}$$Cが移行した状態を模擬した低濃度B$$_{4}$$C含有のSSとSSを接触させた浸食試験を実施し、得られたデータから接触界面の反応速度定数を評価した。評価の結果、低濃度B$$_{4}$$C含有のSSとSSによる共晶の反応速度定数は、B$$_{4}$$C-SS共晶の反応速度定数よりも高温域において小さいことが分かった。また、B$$_{4}$$C含有量が少なくなるにつれて速度定数が高温域では、小さくなる傾向が見られた。

論文

光電子分光法によるSi表面酸化プロセス反応速度と酸化誘起歪みの同時観察

小川 修一*; 吉越 章隆; 高桑 雄二*

Vacuum and Surface Science, 62(6), p.350 - 355, 2019/06

シリコン基板の熱酸化は、シリコンデバイスの作成に不可欠である。酸化膜が薄くなると酸化によって引き起こされる歪の影響が無視できなくなる。放射光リアルタイム光電子分光による酸化誘起歪と酸化速度の同時計測によって、酸化誘起歪の酸化反応に及ぼす効果を調べた。急激な酸化温度上昇による熱歪が、界面酸化速度を増加させることが明らかとなった。この結果は、歪発生に伴う点欠陥がSiO$$_{2}$$/Si基板界面の反応サイトとするモデルによって説明できる。

報告書

CHEMKEq; 化学平衡論及び反応速度論の部分混合モデルに基づく化学組成評価コード(受託研究)

伊藤 裕人*; 塩津 弘之; 田中 洋一*; 西原 慧径*; 杉山 智之; 丸山 結

JAEA-Data/Code 2018-012, 42 Pages, 2018/10

JAEA-Data-Code-2018-012.pdf:4.93MB

原子力施設事故時において施設内を移行する核分裂生成物(FP)の化学組成は、比較的遅い反応の影響を受けることにより化学平衡を仮定して評価した組成とは異なる場合が想定される。そのため、反応速度を考慮した化学組成評価が求められる。一方で、原子力施設事故時の複雑な反応に関する反応速度の知見は現状では限られており、実機解析に適用できるデータベースの構築に至っていない。そこで、FP化学組成評価における反応速度による不確かさの低減のため、化学平衡論及び反応速度論の部分混合モデルに基づく化学組成評価コードCHEMKEqを開発した。このモデルは、系全体の質量保存則の下、前駆平衡と見なせる化学種を化学平衡論モデルにより評価し、その後の比較的遅い反応を反応速度論モデルにより解くものである。さらにCHEMKEqは、本混合モデルに加え一般的な化学平衡論モデル及び反応速度論モデルが使用可能であり、かつ、それらモデル計算に必要なデータベースを外部ファイル形式とすることで汎用性の高い化学組成評価コードとなっている。本報は、CHEMKEqコードの使用手引書であり、モデル, 解法, コードの構成とその計算例を記す。また付録には、CHEMKEqコードを使用する上で必要な情報をまとめる。

論文

Consideration of radiolytic behavior in diluted and concentrated systems of seawater for computational simulation of hydrogen generation

永石 隆二; 井上 将男; 日野 竜太郎; 小川 徹

Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2014/10

福島第一原子力発電所事故では破損した原子炉施設の冷却のために海水を使ったため、スリーマイル島原子力発電所の冷却水喪失事故とは異なり、事故後に発生した汚染水に海水成分が含まれた。これに伴い、腐食や水素発生と密接に関係する、海水の放射線分解の反応計算がいくつかのグループによって行われたが、それらは1次収量や放射線誘起反応の塩濃度依存性(塩効果)を考慮していないため、広範囲の塩濃度に対して適用できない。そこで、本研究では、1次収量の塩効果を示す定常照射実験の結果、並びに反応の塩効果を示すパルス照射実験(パルスラジオリシス)の結果をもとに、海水の希釈及び濃厚系での放射線分解挙動に関する考察を試みた。

論文

Homogeneous transesterification kinetics of triglyceride to biodiesel using grafted fibrous catalyst

植木 悠二; 瀬古 典明

JAEA-Review 2013-059, JAEA Takasaki Annual Report 2012, P. 53, 2014/03

量子ビームを活用して開発したバイオディーゼル燃料(BDF)製造用繊維状グラフト触媒は、市販の粒子状樹脂よりも、高効率にBDFを製造可能な触媒である。本研究では、繊維状グラフト触媒のトリグリセリド(TG)に対するエステル交換反応速度について検討を行った。トリグリセリド, エタノール(EtOH)、及び、補助溶媒であるデカンからなる標準試料を用いたバッチ式撹伴反応試験を実施したところ、いずれの反応時間においても反応溶液中には副生成物であるモノグリセリドやジグリセリドは存在せず、トリグリセリド及び主生成物であるBDFしか存在しなかった。これにより、本触媒を用いた際のBDF生成反応は二次不可逆反応に一致した。また、繊維状グラフト触媒の速度定数(k$$_{1}$$)は、市販の粒子状樹脂の速度定数の約2.5倍となることが分かった。この速度定数の差は、反応物質の輸送機構の違いに起因するものである。

論文

ステアリン酸亜鉛の熱分解特性評価モデルの検討

阿部 仁; 田代 信介; 三好 慶典

日本原子力学会和文論文誌, 6(1), p.10 - 21, 2007/03

施設の安全性を総合的に確認するためには、万が一臨界事故が発生したと仮定した場合の環境影響を定量的に評価することが重要であり、そのためには事故時の印加反応度や反応度添加速度を現実的に模擬し総核分裂数や出力の時間履歴等を解析・評価するための基礎データ及び手法の整備が必要である。計画されているMOX燃料加工施設のMOX粉末調整工程では、密度調整等のためにMOX粉末に対してステアリン酸亜鉛が添加される。ステアリン酸亜鉛は中性子減速効果を有するため、誤操作等によって過剰に添加された場合には、MOX燃料の臨界特性に影響を与える可能性がある。ステアリン酸亜鉛の過剰添加によって、万が一、臨界事象が引き起こされた場合には、ステアリン酸亜鉛は、加熱されて融解や熱分解等の物理・化学的変化を受ける。これらの変化はMOX燃料の核的な動特性に対して影響を及ぼす。また、熱分解によるステアリン酸亜鉛の消費は、臨界事象の停止機構の一つとなりえるものと考えられる。本報では幾つかの熱分析装置を用いてステアリン酸亜鉛の吸発熱特性データ及び熱分解ガス発生特性データを取得するとともに、これらを適用した事故時のステアリン酸亜鉛の熱分解特性評価モデルの検討を行った。

論文

放射性核種の地層中移行におけるコロイド影響評価手法に関する研究; コロイドの多孔質媒体中移行モデルの実験による評価

向井 雅之; 田中 忠夫; 湯川 和彦; Suryantoro*

原子力バックエンド研究, 12(1-2), p.41 - 51, 2006/03

地下水中におけるコロイド共存下での放射性核種の移行を評価するため、計算コードを作成した。ラテックスコロイドを海岸砂及び赤色土カラムへ流入する実験を行い、流出曲線に対する4種類の多孔質媒体中コロイド移行モデル(瞬時平衡反応モデル,1次反応速度モデル,ろ過モデル,付着容量に制限を設けた1次反応速度モデル)の適用性を検討した。海岸砂からの流出曲線は、瞬時平衡反応モデルでは破過のタイミングと相対濃度1への到達速度とを同時に表すことが困難である一方、ブロッキング現象を模擬したモデルの1つである1次反応速度モデルでは流出曲線を良好に再現できた。赤色土からの流出曲線には、コロイドを繰り返し流入させたことに対応してコロイド流出濃度が階段状に高くなる特徴的な挙動が観察された。可逆的な瞬時平衡反応モデル及び1次反応速度モデルではこの挙動を表すことができなかった。しかしながら、ろ過に非可逆的な容量制限を設けた1次反応速度モデルにより特徴的な流出曲線を再現可能であった。天然バリア中の核種移行に及ぼすコロイドの影響を評価するモデルの基盤となるコロイド単体の移行モデルが実験結果に基づいて確証できた。

論文

Influence of humic substances on the $$^{63}$$Ni migration through crushed rock media

田中 忠夫; 坂本 義昭; 向井 雅之; 前田 敏克; 中山 真一

Radiochimica Acta, 92(9-11), p.725 - 729, 2004/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.03(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

国際腐植物質学会から提供されているNordicフミン酸及びフルボ酸を0$$sim$$30mg/l共存させた条件下で、粉砕した花崗岩及び凝灰岩を充てんしたカラム中における$$^{63}$$Niの移行実験を実施した。いずれのケースでもカラムを透過するNiの量は、腐植物質濃度が高くなるに従って増加した。カラムを透過するNiの割合は注入液中で腐植物質錯体を形成しているNiの割合に対応しており、カラムに注入した腐植物質錯体がそのまま流出したことを示唆する結果を得た。カラムを透過するNiの移行は、水溶液中におけるNiと腐植物質の錯形成と解離の速度を考慮した移行モデルを適用することによって説明できた。

論文

Effect of solute atoms on swelling in Ni alloys and pure Ni under He$$^{+}$$ ion irradiation

若井 栄一; 江沢 正志*; 今村 淳子*; 武中 剛志*; 田辺 哲朗*; 大嶋 隆一郎*

Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part.1), p.367 - 373, 2002/12

 被引用回数:29 パーセンタイル:84.88(Materials Science, Multidisciplinary)

Ni合金の照射による微細組織変化に及ぼす溶質原子の効果を500$$^{circ}$$Cで25keVのヘリウムイオン照射により調べた。用いた試料はNi及び溶質原子のサイズ因子が異なる数種類のNi合金(Ni-Si,Ni-Co,Ni-Cu,Mi-Mn,Ni-Pd,Ni-Nb)である。1$$times$$10$$^{19}$$ions/m$$^{2}$$まで照射すると約1.5$$times$$10$$^{22}$$m$$^{-3}$$の高密度の転位ループが形成されたが、アンダーサイズ因子を持つNi-Si合金のみ、その密度がやや高くなった。また、4$$times$$10$$^{20}$$ions/m$$^{2}$$まで照射した試料では、キャビティが成長し、溶質原子のサイズ因子に依存してスエリングが0.2%から4.5%まで変化した。キャビティの数密度は溶質原子のサイズ因子の絶対値の大きさにしたがって増加する傾向にあり、スエリング値は増加した。これらの結果と反応速度論による点欠陥濃度の計算結果からヘリウム及び原子空孔の移動度し、溶質原子とヘリウム及び原子空孔との相互作用によって影響を受けることを推測した。

論文

Theoretical study of kinetic isotope effects on rate constans for the H$$_{2}$$+C$$_{2}$$H$$rightarrow$$H+C$$_{2}$$H$$_{2}$$ reaction and its isotopic variants

黒崎 譲; 高柳 敏幸

Journal of Chemical Physics, 113(10), p.4060 - 4072, 2000/09

 被引用回数:22 パーセンタイル:55.85(Chemistry, Physical)

反応H$$_{2}$$+C$$_{2}$$H$$rightarrow$$H+C$$_{2}$$H$$_{2}$$(1)及びこれを同位体置換した反応、HD+C$$_{2}$$H$$rightarrow$$H+C$$_{2}$$HD(2), DH+C$$_{2}$$H$$rightarrow$$D+C$$_{2}$$H$$_{2}$$(3),D$$_{2}$$+C$$_{2}$$H$$rightarrow$$D+C$$_{2}$$HD(4),H$$_{2}$$+C$$_{2}$$D$$rightarrow$$H+C$$_{2}$$HD(5)の反応速度定数を、トンネル補正を加えた変分的遷移状態理論により計算した。その結果、これらの反応に見られる同位体効果はほとんど一次同位体効果によるもので、二次同位体効果及び反応経路(IRC)の曲率の効果は比較的小さいことが明らかとなった。このことは、分子軌道計算からも明らかなように、これらの反応のポテンシャルが「early」であることに起因すると思われる。また、反応1と2の反応速度定数の計算結果は、実験結果とかなり良い一致を示した。

報告書

高レベル廃棄物処分環境下における黄鉄鋼の還元能力に関する研究

間中 光雄

JNC TN8400 2000-012, 33 Pages, 2000/04

JNC-TN8400-2000-012.pdf:1.04MB

処分場周辺の酸化還元状態は人工バリアシステムの性能に影響をあたえると考えられる。とりわけ、圧縮ベントナイトの空隙に存在する酸素は処分場周辺の酸化還元状態に強く作用するだろう。酸素の影響を評価するために、圧縮ベントナイト中の酸素の輸送パラメータおよび酸素の消費プロセスを知らなければならない。そこで、つぎの研究が実施された。圧縮ベントナイト中の溶存酸素(DO)の拡散を理解し、かつ、溶存酸素の影響を見積もるために、電気化学的手法を用いて圧縮Na型ベントナイト中を拡散する溶存酸素の実効酸素の実効拡散係数(De)を求めた。その結果、ベントナイトの乾燥密度と溶存酸素の実効拡散係数はつぎのような関係にあることが分かった。De=1.53+-0.13$$times$$10-9exp(-2.15+-0.24$$times$$10-3p)Deは溶存酸素の実効拡散係数(m2s-1)、pはベントナイトの乾燥密度(kgm-3)である。ベントナイトの空隙に存在する酸素は、ベントナイトに含まれる不純物の黄鉄鉱の酸化反応によって消費されると期待されている。この考えを確かめるために、圧縮Na型ベントナイト中の黄鉄鉱の酸化速度が本研究で得た溶存酸素の実効拡散係数を用いて黄鉄鉱-ベントナイト系の実験データから見積もられた。乾燥密度0.8および0.9、1.0、1.1、1.2$$times$$10 3kgm-3のベントナイト中の黄鉄鉱の酸化速度定数は、それぞれ1.38+-0.32$$times$$10-8、1.10+-0.24$$times$$10-8、1.16+-0.35$$times$$10-8、9.36+-2.23$$times$$10-9、7.48+-1.92$$times$$10-9ms-1であった。圧縮ベントナイト中の黄鉄鉱の酸化速度定数(k')は圧縮ベントナイトの乾燥密度(p)とつぎのような関係があることが示された。K1=3.94+-1.06$$times$$10-8exp(-1.33+-0.28$$times$$10-3p)しかるに、炭酸溶液(初期pH=9.24)中のそれは1.46+-0.09$$times$$10-9ms-1であった。DOと反応した黄鉄鉱の表面には、溶液のpHに依存しながら酸化層が形成する。形成した酸化層は黄鉄鉱内部への酸素の拡散を阻止することが考えられる。酸化反応によって形成した生成物を知ることは重要となる。そこで、レーザーラマン分光法を用いて実験前後の黄鉄鉱表面を分析した。その結果、黄鉄鉱表面に形成した酸化物は

報告書

CPFにおける照射済高速炉燃料溶解試験データの評価

佐野 雄一; 小山 智造; 船坂 英之

JNC TN8400 2000-014, 78 Pages, 2000/03

JNC-TN8400-2000-014.pdf:2.13MB

CPFにおいてこれまでに実施された照射済高速炉燃料の各種溶解試験結果を対象に、U,Puの溶解挙動に影響を及ぼす各種因子について、fragmentationモデルに基づいた評価を行った。製造履歴に関わる因子(Pu含有率(Pu/(U+Pu))、照射履歴に関わる因子(燃焼度)、及び溶解条件に関わる因子(硝酸濃度、溶液温度及びHM(U+Pu)濃度)について、これらの影響を定量的に評価することにより燃料溶解速度の推定式を導入した。また、fragmentationモデル中に含まれるf値(硝酸の拡散及び燃料への浸透のしやすさを表すパラメータ)について、固液比、燃焼度及び燃料の粉化率との相関を検討、評価した。導出された推定式を用いることにより、表面積モデルに基づいた既存の推定式に比べ、これまでCPFにおいて実施された照射済高速炉燃料以外(未照射Uペレット、高Pu富化MOX燃料の溶解)を対象とした溶解においても本推定式の有効性が認められた。導出された推定式を用いた高濃度溶解試験時の溶解挙動評価からは、高濃度溶解時における燃料の溶解性低下が示された。燃料の溶解性は、酸濃度及び溶液温度を上昇させることによりある程度改善されるが、溶解槽等の機器材料への影響を考慮すると、f値を増加させる(剪断条件、攪拌条件等を最適化する)ことにより溶解性の向上を図ることが望ましいと考えられる。

報告書

ベントナイトのセメント系材料による変質解析評価(研究委託内容報告書)

室井 正行*

JNC TJ8400 2000-042, 142 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-042.pdf:14.6MB

セメント系材料から発生する高アルカリ空隙水は、緩衝材の膨張能力の喪失、空隙率の増大及び吸着能力の低下をもたらす可能性がある。ここでは、ベントナイトとセメント空隙水の反応のモデル化研究を行った。ベントナイトとセメント間隙水の反応は、反応-輸送コードPRECIPを用いて計算された。セメント劣化の経時的変化を反映した3種の組成(浸出液1, 2, 3)の空隙水を、一次元で1mのベントナイト(+砂)流路と、25$$^{circ}C$$と70$$^{circ}$$Cで反応させた。主要鉱物の溶解・析出については、速度論的反応機構を考慮した。浸出液1は最も反応性の高い液(最大のpH, Na, K)で、浸出液3は最も弱い(最低のpH, Na, Ca)。浸出液1を用いたシミュレーションでは、約1000年後にセメントとの接触部から60cmの初期ベントナイト鉱物が完全に消失した。空隙率の最大の増加は浸出液1の場合で(80-90%まで)1-2cm幅の狭いゾーン全体に観測された。全ての液のシミュレーションでは、セメントとの境界に極近いゾーンで空隙がCSH鉱物によって充填された。ゼオライトやシート状シリケートの析出は境界から離れて生じた。今回の条件では、25$$^{circ}C$$, 70$$^{circ}C$$での差はほとんどなかった。モンモリロナイトの溶解は速度論的パラメータには敏感でないことを示した。モデル化研究で選択された概念モデルでは、ベントナイトと反応しうるセメント間隙水の総量を無制限と想定したため、保守的(悲観的)評価となっている。また、仮定に以下のような多くの不確かさが存在する。・高pHにおける鉱物の溶解及び成長の動力学的機構、・時間と共に増加する鉱物の表面積、・高pHにおけるCSH鉱物、ゼオライト及び水性種の熱力学的データ、・空隙率の変化と流体の流れ/拡散の間の相互影響

報告書

人工バリア材料の変質に関する研究-硝酸塩およびセメントからの浸出物の影響-(研究委託内容報告書)

入矢 桂史郎*; 加藤 忠男*; 藤田 英樹*; 久保 博*

JNC TJ8400 2000-034, 212 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-034.pdf:7.91MB

TRU廃棄物の処分システムの構成材料としてコンクリートや圧縮成型したベントナイトが考えられる。コンクリートは処分場内外の地下水と接することによってその成分が溶出し、周辺地下水を高アルカリ性溶液に変え、その高アルカリ性浸出液によって、ベントナイトのゼオライト化および周囲の岩石が溶出する等の影響を与えると考えられている。また、コンクリートの施工時に添加される有機系混和剤の浸出や一部の廃棄体に含まれる硝酸塩の溶出等によって核種の移行が加速されるなどの影響が考えられる。これまでの研究によって、コンクリートの模擬浸出液を用いた短期的な浸漬試験によって、pHが10.5以下の条件では岩石およびベントナイトの変質が抑制されることが示されている。また同様に、pHを11.0以下に保つセメントとして、シリカフュームおよびフライアッシュを多量添加したセメントを開発し、その性能を確認してきた。しかし、ベントナイト等の変質については、条件によってゼオライト化やイライト化が報告されているため、長期変質試験による確認が必要である。また、開発した低アルカリ性セメントについては、そのベントナイト等への影響抑制効果が実証されていないため、実験的に確認する必要がある。有機物の影響については、初期のコンクリートから浸出する有機物量が実験的に把握されたが、核種の溶解度への影響を把握することにおいて、重要なその量や形態の変遷による影響については確認されていない。また硝酸塩の影響については、処分初期の高濃度の硝酸塩溶液ではコンクリートの変質はほとんど加速されないことが示されているが、硝酸塩濃度が次第に下がった場合には、硝酸イオンの化学形態にともなってコンクリートの変質が加速される可能性が懸念されている。本年度は、これまでの知見をふまえ、核種移行特性への影響評価に資するため、材料の変質特性等を詳細に把握する。そのため、コンクリートからの浸出液によるベントナイトの長期的変質を実験的に確認するとともに、低アルカリ性コンクリートからの浸出液によるベントナイトの変質試験を行う。また、コンクリートから浸出する有機成分の量と形態の変遷を調べる。さらに、硝酸塩濃度の変遷を考慮し、コンクリートが硝酸塩によってさらに長期にわたり変質を受けたときのコンクリートの変質特性を把握する。

報告書

人工バリア材料の変質に関する研究-硝酸塩およびセメントからの浸出物の影響-(研究概要)

入矢 桂史郎*; 加藤 忠男*; 久保 博*; 藤田 英樹*

JNC TJ8400 2000-033, 95 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-033.pdf:11.11MB

TRU廃棄物の処分システムの構成材料としてコンクリートや圧縮成型したベントナイトが考えられる。コンクリートは処分場内外の地下水と接することによってその成分が溶出し、周辺地下水を高アルカリ性溶液に変え、その高アルカリ性浸出液によって、ベントナイトのゼオライト化および周囲の岩石が溶出する等の影響を与えると考えられている。また、コンクリートの施工時に添加される有機系混和剤の浸出や一部の廃棄体に含まれる硝酸塩の溶出等によって核種の移行が加速されるなどの影響が考えられる。これまでの研究によって、コンクリートの模擬浸出液を用いた短期的な浸漬試験によって、pHが10.5以下の条件では岩石およびベントナイトの変質が抑制されることが示されている。また同様に、pHを11.0以下に保つセメントとして、シリカフュームおよびフライアッシュを多量添加したセメントを開発し、その性能を確認してきた。しかし、ベントナイト等の変質については、条件によってゼオライト化やイライト化が報告されているため、長期変質試験による確認が必要である。また、開発した低アルカリ性セメントについては、そのベントナイト等への影響抑制効果が実証されていないため、実験的に確認する必要がある。有機物の影響については、初期のコンクリートから浸出する有機物量が実験的に把握されたが、核種の溶解度への影響を把握することにおいて、重要なその量や形態の変遷による影響については確認されていない。また硝酸塩の影響については、処分初期の高濃度の硝酸塩溶液ではコンクリートの変質はほとんど加速されないことが示されているが、硝酸塩濃度が次第に下がった場合には、硝酸イオンの化学形態にともなってコンクリートの変質が加速される可能性が懸念されている。本年度は、これまでの知見をふまえ、核種移行特性への影響評価に資するため、材料の変質特性等を詳細に把握する。そのため、コンクリートからの浸出液によるベントナイトの長期的変質を実験的に確認するとともに、低アルカリ性コンクリートからの浸出液によるベントナイトの変質試験を行う。また、コンクリートから浸出する有機成分の量と形態の変遷を調べる。さらに、硝酸塩濃度の変遷を考慮し、コンクリートが硝酸塩によってさらに長期にわたり変質を受けたときのコンクリートの変質特性を把握する。

報告書

炭素鋼の低合金鋼化によるカソード反応速度抑制の可能性検討

明石 正恒*; 深谷 祐一*; 朝野 英一*

JNC TJ8400 2000-015, 46 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-015.pdf:2.96MB

普通鋼(SM50B), 耐侯性鋼(SMA490AW), 5%Ni鋼の研磨材表面における水素発生反応挙動は鋼種による差は確認されなかった。上記3鋼種に500$$^{circ}$$C、1000時間の水蒸気酸化処理を施し、さび層を付与した。さび層は、普通鋼では外層がヘマタイト(Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$)主体、内層はマグネタイト(Fe$$_{3}$$O$$_{4}$$)主体、耐侯性鋼は外層はヘマタイト(Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$)主体、内層はCrが濃縮したマグネタイト(Fe$$_{3}$$O$$_{4}$$)主体、5%Ni鋼では3層構造で外層がヘマタイト(Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$)主体、中間層はマグネタイト(Fe$$_{3}$$O$$_{4}$$)でいづれもAlが低濃度で混入し、内層若干Alが濃縮した高濃度Ni主体の層であった。このさび層付与の3鋼種のカソード分極曲線は、さび層なしの研磨試験片と比べてTafel勾配は変わらないが、反応を水素発生反応と仮定した時の交換電流密度は大きく増大した。いずれの鋼種も表面がマグネタイト主体のさび層で覆われた場合は、カソード反応が加速され、その腐食反応が加速された。

報告書

炭素鋼の低合金鋼化によるカソード反応速度抑制の可能性検討; 研究概要

明石 正恒*; 深谷 祐一*; 朝野 英一*

JNC TJ8400 2000-014, 22 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-014.pdf:0.75MB

普通鋼(SM50B)、耐侯性鋼(SMA490AW)、5%Ni鋼の研磨材表面における水素発生反応挙動は鋼種による差は確認されなかった。上記3鋼種に500$$^{circ}C$$、1000時間の水蒸気酸化処理を施し、さび層を付与した。さび層は、普通鋼では外層がヘマタイト(Fe2O3)主体、内層はマグネタイト(Fe3O4)主体、耐侯性鋼は外層はヘマタイト(Fe2O3)主体、内層はCrが濃縮したマグネタイト(Fe3O4)主体、5%Ni鋼では3層構造で外層がヘマタイト(Fe2O3)主体、中間層はマグネタイト(Fe3O4)でいづれもAlが低濃度で混入し、内層若干Alが濃縮した高濃度Ni主体の層であった。このさび層付与の3鋼種のカソード分極曲線は、さび層なしの研磨試験片と比べてTafel勾配は変わらないが、反応を水素発生反応と仮定した時の交換電流密度は大きく増大した。いずれの鋼種も表面がマグネタイト主体のさび層で覆われた場合は、カソード反応が加速され、その腐食反応が加速された。

報告書

オーバーパック候補材料の腐食に関する個別現象解析モデルの研究

柴田 俊夫*; 瀬尾 眞浩*; 杉本 克久*; 水流 徹*; 井上 博之*

JNC TJ8400 2000-013, 38 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-013.pdf:3.25MB

これまでに核燃料サイクル開発機構(旧動燃事業団)が実施してきたオーバーパックに関する研究成果についてレビューし評価をおこなったのに引き続き、腐食防食協会の中に専門家による委員会を継続した。腐食科学の観点から、材料選定の考え方、実験方法、寿命評価手法など、より具体的な指針として役立てるべく、個別現象解析モデルの研究をおこなった。本書が、今後の研究開発の過程で利用され、オーバーパックに関する研究に役立つことを期待するものである。

報告書

粘土中に埋設された鉄の腐食事例の研究(研究委託内容報告書)

炭山 守男*

JNC TJ8400 2000-009, 138 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-009.pdf:3.0MB

本研究は、オーバーパックの候補材である炭素鋼の土壌中での長期腐食挙動の評価に資するため、淡水性粘土中に長期間埋設された水道管を堀上げ、その埋設土壌の環境と管体の腐食量を調査し、土壌埋設鋼材についての酸素還元反応律速型の腐食モデル(経験式)を作成してきた。この腐食モデル式の信頼性の向上に資する目的で国内外で実施された土壌埋設鋼材の長期腐食挙動に関する調査の一つとして、(財)日本簡易ガス協会で実施した埋設管の腐食データを使用した。その171試料の中から淡水性粘土に埋設されていた38路線の試料を抽出し、そのデータの腐食速度と土壌環境因子をまとめ、かつ極値統計手法によりオーバーパックの面積を再帰期間とし、最大孔食深さを求めた。それらの腐食量と土壌環境因子の相関解析を行い土壌環境因子と腐食量の関係を求めた。このデータを埋設水道管のデータに加え、極値統計解析の累積確率0.99の最大孔食深さの腐食モデルについて比較した。さらに、既往文献の研究結果を加えて極値統計解析の累積確率0.99最大孔食深さのデータを腐食モデルの式H=aYnと比較した。水道管と簡易ガス管の極値統計解析の累積確率0.99のデータは既往データと較べて妥当な値を示し、中性低溶存酸素環境の腐食モデルとして妥当であることが示された。本報告書は、日本鋼管工事株式会社が核燃料サイクル開発機構の委託により実施した研究成果に関するものである。

報告書

ベントナイトとコンクリートの長期接触事例の調査

今井 淳*

JNC TJ8400 2000-008, 196 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-008.pdf:25.25MB

放射性廃棄物の地層処分では、廃棄体オーバーパックの周囲に緩衝材としてベントナイト系材料を用いる事が考えられているが、トンネル等の地中構造物の支保に使われるコンクリートと接触することによるベントナイトの劣化が懸念されている。本調査の目的は、天然環境で長期に共存していたベントナイトとコンクリートを調査することにより、両者の相互作用によるベントナイトおよびコンクリートの変質についての知見を取得することである。今年度は、平成10年度から開始した調査の2年目として、山形県西置賜郡小国町と飯豊町境界に位置し、ベントナイト鉱床を貫通して建設され、現在廃坑となっている国道113号線の宇津トンネルで昨年度に引続き試料採取を行い、ベントナイトとコンクリートの接触面について分析・調査を行った。この結果、建設終了から30年以上経過した状況で、ベントナイトのゼオライト化、イライト化といったものは観察されず、昨年同様、コンクリートから浸出したCaイオンによる接触部近傍数mmの範囲にNa型ベントナイトのCa型化を示す可能性のあるデータが得られた。また、コンクリートについては、接触部から30mm程度までのSイオン(硫酸イオン)の浸入が確認されたが、コンクリートの物理的な劣化は確認されず、健全な状態であることを確認した。さらに、1971年1月に埋設され、2000年3月に発掘されたEXPO70タイムカプセルを収納していたコンクリート容器と充填ベントナイトの調査を行い、試料を採取した。

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